うちのイケメン

イスラム教徒です。アラブ人夫との日常をなんとなく書いているブログです。

うちのイケメンの祖国

 

 

 Alsalaam Alaikum

 

 アルサラムアライクムとはアラビア語の挨拶であなたに平安が訪れますようにという意味です。

 

このブログに訪れて下さるあなた様に心からの平安が訪れますようにお祈りします。

 

初めてのかたは

iamamuslima.hatenadiary.jp

から

 

ご覧いただけたらわかりやすいと思います。

 

 

うちのイケメンことお嫁ちゃんの夫はイラク人です。

 

さて。

イラクと聞いてイメージするのってどんな国ですかね?

 

いままで誰かに言われたことは

•戦争
イスラム過激派
•テロリスト
•アイエス

 

なんだか物騒な言葉ばかりですね。

 

ですから

 

お嫁ちゃん

夫がイラク人と言いますと大体2人に1人くらいの割合で


「えーーー!!!大丈夫なの?」

と驚きながらの質問されます。

 

何が大丈夫なのか?

何について大丈夫か聞かれているのか?

 

見当がつきませんから、そのようなときは「大丈夫だよ。」と応えることにします。

 

 

一度、もうこのリアクション飽きたなぁ。。。と感じまして

お嫁ちゃん、突っかかってみたことがあります。

 

「あなたは何について大丈夫かと聞いているの?」と

 

そしたらね

 

「ご主人のご両親やお友達は大丈夫なの?」とのことでした。

 

うちのイケメンの両親やお友達???


もう一度何が大丈夫か聞いてみましたら

「戦争とか」でした。

 

 

もしうちのイケメンが他の国の外国人

例えば

アメリカ人やカナダ人、イギリスやフランス人であったならこんな質問は受けないのでしょう。

 


うちのイケメンと知り合う以前、お嫁ちゃんは人生でたった1度もイラクについて考ええたことはありませんでした。

 

お嫁ちゃんがうちのイケメンからイラクと聞いて頭に浮かんだものは

シンドバッド!

 

これ以外は

メソポタミア文明
石油
サダム フセイン
ディナールとゴールド
戦争
世界で三番目にお金持ちな国

当時、これくらいしかイラクについて何もしりませんでした。

 

結婚前に うちのイケメンに「イラクてどんな国?」と聞きました。

 

イラクは夏は暑くて冬はすごく寒いところ。

北のほうに行けば自然が多くて美しいけれど

自分の育ったところ中心部は自然より砂埃が多い。」とのこと。

 

 

お嫁ちゃんも聞きました。

 

ご家族、安全なところにおられるの?と 

 

 

「自分の家族の住んでいるところは年に数回しか爆弾は落ちたことはない。そのとき以外は安全だよ。」

 

年に数回しか爆弾が落ちないから安全。。。。

とても胸が痛くなる答えでした。

 

続けて

「自分が子供の頃もイラクはいろんな国と揉めてはいたかもしれないけれど、国民は何の不安もなかったし、人々は親切で皆が助け合っているいい国だった。

外国に移り住み自分が育った環境は本当に素晴らしかったと気がついた。

イラク人であることを誇りにすら感じた。今はもう壊れてしまったけれど。」

 

うちのイケメンは戦争が始まる以前にイラクから出ています。

そして、サダム政権が終わりしばらくしてから

イラクに戻ったとき、街も風習も人たちさえも変わってしまったそうです。

 

今のイラクはうちのイケメンの生まれ育った、よく知っている

愛する祖国、イラクではないそうです。

 

 未だに残っているかわからないそうだけれど

 

風習

 

イラクでは、誰かがいきなり訪ねてきたとしても必ず家の中に迎え入れなければならないそうです。

それが知らない人であっても。

 トイレを貸してくれと知らない人が来たなら必ずトイレを貸します。

 

 

日本なら危ないから知らない人を家に入れてはいけないですよね。

 

知らない人を招き入れたことで

日本で起こりうる危ないことがイラクでは起きることがないそうなのです。

 

まず、泥棒する人もいなければ誰も泥棒になろうというに人もいない。

 

盗むや奪うという概念がない国民性だったそうです。

 

日本のメディアやニュースではアイエスでレイプされたとか流れてくるけれども

レイプなんて絶対ないとのこと。

 

そんな男として恥ずかしい事件を起こす人はいないし、女性が1人で歩き回ることがまずないそうです。

 

男女のことについての規制が驚くほど厳しいこともあるし、男性が女性の嫌がることや傷つけることを出来るイラク人はいないと思うとうちのイケメンは言います。

 

何故なら

 

恥と名誉と尊厳を何より重んじる民族であるから。

 

それにね、イラク人はお喋りだから

何かすれば街中全部に自分の名前とその恥を広めることになる。

 自分だけの恥ならぬ家族まで代々語られるような恥ずかしいことは絶対にないとのことです。

 

 

イラク人はお店や場所などで日本人のように並ぶ習慣はほとんどないそうです。

外国では並ぶ概念があるところのほうが少ないかもしれませんが

イラクの並ばないという意味は

我先にとか他人を無視するそれとは違います。

 

並ぶことは並ぶけれど、後からもし女性が来たなら女性は先

老人が着たら老人が先

譲り合う文化なのです。

 

食べ物屋で列に20分並んで食べ物を買いました。

 

家に戻るときに、その食べ物屋さんに行こうとしている老人に出会えば今買ってきたものを老人に渡して再度、自分の物を得るために並び直すそうです。

 

目の前に大きな荷物を抱えて歩いている人がいたら、それを持つのを手伝う。

 

あくまでも同性が基本だけれどお年寄りなら女性へも手伝う。

 

女性は女性同士が手伝うそうです。

 

レストランでも床屋でも露店でも

知ってる人がそこに先にいたとして、その人が自分よりも若ければその人の分まで支払いを済ませて帰ります。

 逆もまた然り、年上の人が全て払って行ってくれることもあります。

 

老人からは年上でもお金をとることはないそうです。

支払える能力がある人が支払うまたはお店がお金を取らないそうです。

 

愛がある風習だなと思います。

 

昔の日本もきっとこんな感じだったのかもしれませんね。

 

そんな暖かい文化だったイラクは戦争後でアメリカナイズされつつあるようです。

 

もう一度イラクイラクを取り戻すことを祈ります。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。